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この記事を書いた人:武山 円 
YSこころのクリニック・YSカウンセリングセンターカウンセラー
スクールカウンセラー 公認心理師

不登校っていつまで続くの…?~不登校の長期化を防ぐための対応法6選~

「いつまで不登校の状態が続くのだろう…」

「このまま引きこもりになっていくの?」

不登校が長期化してくると、その状態が日常となり、表面上は落ち着いて過ごせるようになっているかもしれません。ご自分の子育てに原因があるのではと、ご自分の責めていらっしゃる方もいるかもしれません。

しかし、内心は、将来への不安や焦りを感じたり、お子さんの不登校を解決できないご自分に無力感を感じることもあるではないでしょうか。

ご自分の子育てに原因があるのではと、ご自分の責めていらっしゃる方もいるかもしれません。

不登校が長期化するのは、親御さんのせいではありません。

親御さんは最善をつくし、こうして今も、寄り添ってくださっています。

しかし、不登校から回復するカギは親御さんが握っているというのも事実です。

そこで今回は、不登校の長期化に悩む親御さん・不登校が長期化するのではと不安な親御さんに向けて、不登校の長期化を防ぐ方法を解説します。

この記事が、不登校に悩む親御さんの希望の光となり、次の一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。

この記事を読んでわかること

不登校が長期化するのはどんなとき?

不登校の長期化と言ってもいったいいつからが「長期」なのか、そして、長期化するケースとしないケースの違いについて、まずはお伝えします。

不登校の「長期化」をどうとらえるか

不登校から回復するまでの期間は一般的に「3ヵ月~1年程度」といわれています。しかし、不登校のお子さん一人一人によって状況・環境は異なりますので、個人差があります。あくまで目安の期間だと思ってください。
3ヵ月もかからないうちに登校できるようになる子もいれば、1年たっても登校できない子もいます。また、進路変更する子もいますし、回復して再登校していても、何らかのきっかけで状況が逆戻りしてしまうこともあります。
不登校の期間が短い人を「うらやましい」と感じたり、焦りを感じたりすることもあるかもしれません。短いから良いこと、長いから良くないことと、単純に決められるものではありません。不登校が長期化していたとしても、しっかり根本解消して、その後の人生に親子共に大きく生かしていらっしゃる方もいます。「不登校になって良かった」という方をたくさん見てきました。どうか、「こんなに長期化しているから、ダメかもしれない…」と気に病まないでくださいね。

不登校が長期化しないケースとは?

原因がはっきりしていて、環境を変えることで解決ができる問題であれば、長期化せずに再び登校することもあるでしょう。例えば、「特定の友だちとトラブルになって学校に行けない」「担任の先生が怖くて、学校に行きたくない」という子の場合、クラス替えなどによって環境が変わることで再び登校できるようになることもあります。
 しかし、「学校にいけない」というのは、表面化している問題の一つにすぎません。原因だと言っていた一つの事象を解決したとしても登校できなかったり、一時期は登校できたとしても、また再び何かのきっかけで行けなくなってしまうことも多いものです。「親が登校してほしいと思っているから」「将来が不安だから」という理由で、登校できるようになったとしても、根本的な心の問題を解消したことにはならないのです。「長期化させないこと」「とにかく登校できるようにすること」に執着せず、不登校という機会に、心の根本原因を解消し、お子さんの自己肯定感を高めて心のエネルギーを満たすことが一番の近道です。根本原因を解消しないまま、登校することに固執すると、不登校を繰り返すようになってしまいかねません。

親の対応によって不登校が長期化するかどうかが決まる!?

「不登校は親のせい」「不登校の原因は母親にある」そんな世間の声が聞こえてきて、または「あのとき自分がこうしてしまったから…私のせい?」とご自分が感じていて、心を痛めていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。
しかし、不登校は「親御さんのせい」では決してありません。同じ状況・環境でも、不登校になる子もならない子もいます。また、親御さんも、お子さんを一番近くで見守りながら、その時の最善をつくしてきてくださったと思います。
ただ、親御さんの心情や対応はお子さんの心の状態に大きく影響することも事実です。不登校は「親御さんのせい」ではありませんが、お子さんの回復のカギは親御さんが握っているのです。
お子さんが不登校になれば、不安になりますよね。それはお子さんを愛しているからこそ、当たり前のことだと思います。ただ、そのままの状態で過ごしていると、お子さんは
「不登校になってしまって、大好きなお母さん(お父さん)を苦しめている…」
「不登校になったら将来がないんだ…」
と自分を責めたり、将来を悲観したりします。
また親御さんが「不登校=悪いこと、問題」という意識でいると、お子さんが、自分は悪いことをしている、自分は問題な子だととらえ、自分のことが認められない状態が続きます。
ぜひお子さんの不登校の時間を、お子さんとの関係やご自分の人生を、アップデートするチャンスととらえて、ご自分の心の状態を見直していきましょう。

不登校の長期化している場合の子どもの気持ち

「子どもの気持ちがわからない」
不登校のお子さんをもつ親御さんとお話ししているとよく聞くご相談です。「わからない」と思われるぐらい、わかりたいと思われていること、そのお気持ちが大きな一歩だと思います。ですから、「わからない」と思われることはむしろ良いことで、ぜひ、その「わからないんだけれど、わかってあげたい」と思われるその姿勢を大切にしていただきたいと思います。
その上で、お子さんに寄り添い、理解するご参考までに、不登校が長期化しているお子さんがよく感じていることをご紹介したいと思います。

不登校・長期化している子の気持ち①実は、ずっと苦しかった

不登校になると、その原因を探そうとされる方が多いですが、その表面に見えている原因は、あくまできっかけにすぎません。お子さんは、ずっとつらい気持ちを抱えたまま、長い間耐え続けて、耐えきれなくなった結果、不登校になったというケースが多いです。原因がはっきりしないことも、回復に時間がかかることも、当然の事なのです。

不登校・長期化している子の気持ち②学校に行けない自分はだめな子?

不登校が長期化している多くの子どもたちは、「学校に行けない自分はダメな存在だ」「他の人はちゃんと学校に行っているのに…」と自己否定的な気持ちを抱えています。それに加えて、親御さんがお子さんの不登校に悩み、不安に思う姿を見ているので、余計に自分を責めてしまうことも多いです。

不登校・長期化している子の気持ち③だれもわかってくれない…

以前に比べれば不登校についての理解が広まってきたとは言え、まだまだ世間的には「学校に行くのが普通、学校に行かないのは特別な理由がある」という意見が多いです。「自分は怠けているだけなのではないか…」「なんで自分はできないんだろう…」と自分を追い詰め、孤独感を感じやすいです。

不登校・長期化している子の気持ち④将来への不安

不登校が長期化してくると、将来への不安を抱くようになります。実際には多様な選択肢があるのですが、なかなかそれを知る機会はありません。勉強の遅れや登校できないことから、将来に対して絶望感を感じてしまうこともあります。中には、「もう人生どうでもいいや」となげやりになってしまう子もいます。

不登校・長期化している子の気持ち⑤また失敗してしまうのでは…

「また学校に行っても、話せる友達がいないのでは…」と友人との関係が崩れたように感じていたり、「勉強が遅れてしまったからもうついていけない…」と不安を抱いたりしていたりします。「挫折体験」のように感じている子が多いので、そこに向かおうとすると、「また失敗してしまうのでは…」と恐怖心を感じやすくなります。

不登校・長期化している子に気持ち⑥自分知り、今後の生き方を考えている

不登校はネガティブな感情に着目されがちですが、ポジティブな感情・大きな心の成長もあります。不登校になると、学校に行っている時と比べて格段に自由な時間が増えます。親御さんと話す時間が増えて、今まで言えなかった思いを伝えることができたり、「生きているだけでいいんだ」という感覚を確認することができたりします。また、一人でいる時間が長くなると、「どうして人は生きるのだろう?」「私は今後どうしていけばいいのだろう?」と自分自身の個性や思い、考え方を見つめるようになるのです。実は、この先の長い人生の中で、ターニングポイントともなるような、大切な時間なのです。

不登校の長期化を防ぐ対応法6選

不登校の長期化を防ぎ、お子さんが回復していくうえで、親御さんがどうかかわっていくかは、大きなカギになります。不登校の長期化にどう向き合っていったらいいか、対応方法をご紹介します。

不登校の長期化を防ぐ対応法①かかわり方を振り返る

親御さんが登校や勉強にこだわり、気持ちに大きなズレが生じていませんか?子どもが自分の気持ちを話そうとするときに、親御さんの意見を伝えていませんか?不登校状態を責めることで親子関係がギクシャクしていませんか?学校復帰は一度休憩して、まずは、お子さんの気持ちを否定せずに最後まで聞き、ありのままを受け止めましょう。親として、「不登校だからダメな子とは思っていない」「不登校であってもなくても、大切な存在」ということを言葉にして伝えることも大切です。また、親御さんだからこそわかる、その子の良さをぜひたくさん発見されてみてください。

不登校の長期化を防ぐ対応法②親御さんが生き生きと生活する

親御さんが、明るく前向きな気持ちで生活することは、お子さんにとって1番と言っていいほどに大切なことです。お子さんの幸せを願うように、お子さんも親御さんの幸せを願っているのです。親御さんの姿はモデルにもなっていきます。ご自分のやりたいこと、好きなことはなんですか?不登校の今だからこそ、親御さんの生活を大切にして、思う存分幸せに生きてください。

不登校の長期化を防ぐ対応法③日常生活を整える

不規則な生活になってしまったり、昼夜逆転したり、朝起きられない状態になってしまうこともあるでしょう。それも必要な時期なので、責める必要はありません。ですが、毎日の生活が整ってくると、子どもたちは安心感をもつことができ、回復へとつながります。まずは親御さんが淡々と、ご自身の生活を整えましょう。そして、「おはよう」「おやすみ」「ありがとう」などの日常会話を心がけたり、食事を変わらず用意するなど、安心できる居場所を作ってあげましょう。

不登校の長期化を防ぐ対応法④心のエネルギーをためて、自己肯定感を高める

不登校のお子さんにとって、不登校になることは必要な時間なのです。まずは休養をしっかりとって、心のエネルギーを回復させましょう。心のエネルギーがたまってくると、自然と何か活動したくなるものです。お子さんから「何かしたい」と意欲が出てきたときは、お子さんの好きなこと、興味のあること、得意なこと、やってみたいことに取り組む機会を少しずつ作ってあげましょう。小さな成功体験を積み重ね、小さな変化を大きく認めることで、自己肯定感が高まり、活動する意欲へとつながっていきます。

不登校の長期化を防ぐ対応法⑤学校との連携をきらない

不登校が長期化してくると、学校と疎遠になりがちです。親御さんだけでも、学校とのつながりを切らさないことが大切です。お子さんは元気が出てくると「実は学校に行きたい」と言うことも多いです。また先生は声をかけることで、お子さんを追い詰めてしまうのではないかと気にかけていることもあります。無理に何かをする必要はありませんが、定期的に連絡を取り合って、お子さんの様子や変化をお伝えすると良いでしょう。

不登校の長期化を防ぐ対応法⑥専門機関に相談する

お子さんの不登校は親御さんのせいではありません。しかし、親御さんが悩み苦しむことが多いのも事実です。そして、友人や親類には相談しづらい内容でもあります。一人で抱え込まずに相談してみましょう。一人で抱え込むと、視野が狭くなったり、考えが凝り固まってしまったり、堂々巡りをしてしまったりします。愚痴をこぼしたり、話を聞いてもらうという気持ちでかまいません。また、不登校のご本人は無理に連れていく必要はありません。まずは親御さんが相談し、動き出すことが大切です。

不登校の長期化が回復している兆しとは?

不登校は必ず終わる時がやってきます。お子さんが回復してきたサインをご紹介します。不登校の回復期していく過程は、喜ばしい反面、「元気があるなら学校へ行ってほしい」「それなら勉強してほしい」と思う、親御さん側の心の余裕が出てくる時期でもあります。
ですが、リハビリ期間だと思って、お子さんの様子を見守り、サポートしていただけたらと思います。

不登校回復のサイン①家で安定して過ごせるようになる

心のエネルギーが回復してくると、日中に起きていられる時間が長くなったり、好きな事ができるようになったり、家のお手伝いができたり、家の中では元気に過ごせるようになります。

不登校回復のサイン②会話が増える

まずは、家族などの身近な安心できる人から、そして、学校の先生や友人、カウンセラーなどと話しができるようになります。話の内容は、好きなゲームや趣味の話かもしれませんが、それでも、大きな回復です。自分の意見をしっかり言えるようになったり、相手の話を聞くことができるというのは、それだけ心に余裕があるということです。

不登校回復のサイン③ヒマを持て余すようになる

ヒマだと思えることは、実は大切なことです。それだけ、心の余裕があるということだからです。不登校から回復してくると、何か行動を起こしたい気持ちが出てきます。自分が好きな事、やりたい事を発見して、小さなことから行動してみましょう。

不登校回復のサイン④外出するようになる

不登校状態になり、心のエネルギーの落ちているときは、子どもたちは家に閉じこもることが多いです。それが好きなものを買いに出かけることができたり、コンビニに行けたり、友人と遊びに行けたり、趣味で出かけられるなどの状態にあるということは、前向きな変化と言うことができます。

不登校回復のサイン⑤勉強を始めたり、進路を考えるようになる

不登校の真っただ中の時は、学校を連想させるようなものは受け付けられず、勉強に対しても意欲が出ないことがほとんどです。回復し、自己肯定感が高まってくると、勉強を再開することがあります。また、将来のことを考え、進路の相談をしてくることもあります。

不登校の長期化を防ぐための対応法 まとめ

不登校の長期化はお子さんやご家族にとって深刻な問題ですが、適切に対処することで、終わりは必ず来ます。そのために、一人で、ご家族で、抱え込まずに、あなたの悩んでいることをお聞かせください。

YSカウンセリングセンターでは
「子どもが(また)不登校になってしまった…」
「子どもの不登校状態が続いている…」
「このままどうなってしまうのか不安だ…」
という親御さんの無料相談を受け付けています。

子どもをよみがえらせるのは、医者でも、薬でも、相談員でもありません。
お子さんの不登校を解決するカギは、親御さんの「接し方」にあります。

ご家庭でのお子さんの様子や親御さんのお悩みなど、じっくりマンツーマンでヒアリングを行い、解決までの道すじを、具体的にご相談いただけます。
また、不登校を解決した事例やお子さんのことで悩む親御さんの交流の場もご用意しています。

経験豊富なカウンセラーが対応いたしますので、少しでも気になる方はお気軽にご連絡ください。


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