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この記事を書いた人:武山 円 
YSこころのクリニック・YSカウンセリングセンターカウンセラー
スクールカウンセラー 公認心理師

不登校の再発を克服する方法~不登校のお子さんをもつ親御さんのためのサポートガイド~

「やっと登校できるようになった!そう思ったのに、また不登校…」

お子さんの不登校状態が再発すると、とても不安になりますよね。

不登校の間、お子さんに寄り添い、様子を見守ってきた親御さんだからこそ、登校し始めたお子さんの様子を喜び、ほっと一息ついていたことでしょうし、その分、不登校が再発するショックは大きいのではないでしょうか。

また、再登校していても、再び不登校になるのではないかと不安な親御さんもいらっしゃるかもしれません。

「不登校って再発するものなの?」

「このままずっと学校にいけないのではないか…」

「学校はまだしも、将来はどうなるの…」

こんな疑問と不安を抱えている人も多いです。

そこで、不登校が再発する原因とその対処法、再発を防ぐ方法についてお話します。

この記事が、親御さんとお子さんの安心と幸せな未来につながりましたら幸いです。

この記事を読んでわかること

不登校の再発はよくあることです!<不登校が再発する理由と原因>

不登校は非常に再発しやすく、不登校の再発率は70~80%とも言われています。どうでしょうか、かなり高い確率だと思われるのはないでしょうか。では、なぜ、不登校を再発する人が多いのか、理由を考えていきたいと思います。これからご紹介するものが、全ての理由・原因ではありませんし、理由や原因を明らかにすることが必ずしも必要なわけではありません。しかし、お子さんの現状を理解する、寄り添う上での一助としてお読みいただけたらと思います。

不登校が再発する理由①ストレスを感じやすく、疲れやすい

お子さんにはそれぞれに、性格・個性があります。その中には、「先生に怒られた」「他の子が怒られているのを見ていると自分が怒られたように感じて辛い」「友達の言い方がきつく感じる」など、誰もが経験するようなことにも、多大なストレスを感じるお子さんもいます。また、集団のガヤガヤとして騒がしさが苦手だというお子さんもいます。親御さんとしては「そんなことで?」「相手も悪気はないんじゃない?」と思うようなことでも、学校に行けなくなるほどにストレスを感じたり、疲れたりします。
ストレスを感じやすいということは、感受性が豊かであったり、とても優しい心をもっていたりして、決してそのこと自体が悪いわけではありません。むしろ、その子の長所であり、才能です。ですが、学校という集団生活の中で、自分の個性の生かし方、ストレスの対処の仕方を学んでいる途中の子どもたちにとっては負荷が大きく、不登校再発の一因になります。

不登校が再発する理由②学習についていけない

不登校になった表面的な状況は、体調不良だったり、強い不安であったりしても、背景として、学習についていけないという状況を抱えているケースはとても多いです。学校の時間の大半を占める、『勉強がわからない』『授業についていけない』という状態は、お子さんにとって非常につらい状態です。45分、50分の授業時間中、先生が理解できない言葉をずっと使っていたらどうでしょうか。その中で発表をしなくてはいけなかったり、グループで話し合いをしなくてはならなかったらどうでしょうか。劣等感ばかりが大きくなり、自己肯定感も削られていきます。こういったケースの場合、学習面の支援がない状態で再登校したとしても、不登校再発につながっていくのです。

不登校が再発する理由③友人や先生との人間関係

クラスになじめないということが理由で不登校になっているケースもあります。クラスごとに授業を受ける学校では、クラスになじめないという状況は、想像以上のストレスになります。そこが解消していなかった場合、不登校再発につながることもあります。(クラスになじめないという状況は、入学・進級時に起こりやすいので、お子さんの環境が変わるタイミングで解消することも多いです!)
また、クラスメイトから久しぶりに登校したときに、「どうして休んでいたの?」「何していたの?」「大丈夫?」など興味や心配から声をかけられ、うまく答えられずに自分を責めてしまい、不登校を再発するということもあります。
いじめや人間関係のトラブルから不登校になっていて、その相手がまだ同じクラス・同じ学校にいる場合、たとえ謝罪があったとしても、心の傷が癒えていなかったり、トラウマが再燃することで、不登校が再発してしまうこともあります。

不登校が再発する理由④そもそも不登校の原因が解決していなかった

不登校になる原因はお子さんによってさまざまです。また原因は一つではなく、複数の原因が絡み合っていることも多いです。例えば、体調不良が原因で休んでいたけれど、実際は、授業についていけていなかった、クラスになじめていなかった、などです。お子さん自身も理由がわかっていないことも多く、「原因が取り除かれた!」と思っていても、実は根本的には解決していないこともあります。
また、不登校が継続する理由として「無気力」の状態にあることが非常に多いです。意欲ややる気、心のエネルギーが回復しないうちに、親御さんが無理に登校を促していたり、促していなくても、お子さんが「学校に行ったらお母さん(お父さん)が喜ぶ」と無理をして登校した結果として、再び登校できない状況になることもあります。

不登校再発のサインとは

不登校の再発を防ぐためには、不登校再発のサイン(前兆)を見逃さないことと、親御さんが適切なかかわりをもつことが大切です。
不登校が再発するサインを身体的症状と心理的症状に分けてご紹介します。

不登校再発の身体的症状

□頭痛
□腹痛
□吐き気・嘔吐
□睡眠状態の変化(寝つきに時間がかかる、夜中に起きてしまう、悪夢ばかりみる、朝早く起きてしまう、やたらとよく眠る、朝起きられない)
□めまい
□だるい、横になってばかりいる
□食欲がない
□わけもなく涙が出てくる

もちろん、どれか一つでも当てはまったら、不登校が再発するというわけではありません。単なる体調不良のこともありますが、体や心に負荷がかかっていると現れやすい身体的症状ですので、無理して登校させず、お子さんの様子を見守ってあげましょう。

不登校再発の心理的症状

□朝、登校の準備に時間がかかる
□前日の夕方~夜に、翌日の学校のことを考えると不安になる、涙が出てくる
□自分の部屋に閉じこもりになり、家族との会話が少なくなる
□無気力
□好きなこと、楽しんでいたことをやらなくなる
□イライラした状態が続く
□兄弟・姉妹に八つ当たりをする
□表情が暗い
□喜怒哀楽が乏しい

身体的な症状に比べて、心理的症状は親御さんが気づきにくく、叱ったり、無理をさせやすいものです。参考にされてみてください。

不登校が再発したらここを押さえて!<不登校再発の対応3つのポイント>

不登校が再発してしまったときの対応は、不登校になった場合の接し方や解決策と基本的には共通しています。詳しくは、これらのコラムを読んでみてください。

不登校の子どもにどう接したら良い?接し方のコツ
不登校になって良かった!?不登校から大逆転する解決策とは

その上で、ポイントを3つご紹介します。

不登校再発の対応ポイント①無理に登校させようとしない

無理に登校させることはやめましょう。再び不登校状態になって、挫折感・劣等感を味わっているのはご本人です。再び登校しようと挑戦したこと、そして、今お休みできていることをまずは認めましょう。

不登校再発の対応ポイント②学校と連携をはかる

お子さんが学校内での困りごとを話す場合は、それを伝えることで、解決に向けて対応してもらえることもあるでしょう。具体的な要望がある場合は、ご家族の希望としてお伝えしておくことも大切です。「こんなことを言ったらクレームだと思われる?」「学校に任せておくべきだろうか」とご心配される方も多いですが、不安な気持ちや小さな不信感を伝えずにいることで、後々に大きな不信感へとつながってしまうこともあります。お互いの立場を尊重しながらも、家庭での様子や話、希望は伝えることをおすすめします。家での様子と学校での様子がまるで違う、ということもよくあることです。情報を共有しながら、みんなで、お子さんの成長を見守っていきたいものですね。
学校とのやりとりに疲れてしまった場合は、次はいつ連絡するか先生と話して決めてしまうことも効果的です。また、担任の先生が話しにくい場合は、スクールカウンセラーや学年主任の先生、養護教諭、教頭先生など、他の先生に相談してみるのも良いでしょう。

不登校再発の対応ポイント③親子共に楽しみを見つける

どんなことでもかまいません。お子さんが楽しめることを探してみましょう。何かを楽しめること、何かをしたいと思えることは、とても素晴らしいことです。意欲の根っこにもなりますし、心の回復にもつながります。また、同時に親御さんの楽しめること・好きなことも思いっきりされてみてください。お子さんの元気がないときこそ、です。親御さんの生き生きと人生を楽しむ姿は、お子さんのロールモデルにもなりますし、「自分がまた不登校になっても、楽しそうに過ごす親御さん」の存在は、安心感につながります。「自分がどんな姿であっても受け入れてもらえた」という感覚にもつながります。まずは、親御さんから始めてみましょう。

不登校の再発を防ぐために親ができること5選

ここまで、不登校が再発する理由や再発した場合の対応をお話してきました。では、不登校状態が再発しないように親ができることは何かあるでしょうか?
ここからは、不登校の再発防止策をご紹介します。

ここで注意していただきたいことがあります。
どうか、これからお伝えする防止策を読んで、「家族の中だけで解決しなければ」「すべてをやらなくては」と思いつめないでください。お子さんの不登校を、ご家族だけ、親御さんだけで抱え込まないでください。
あなたのことを助けたいと思っている人はたくさんいます。
また、適切に周囲や専門家を頼ることで、お子さんにとっても親御さんにとっても「よりよい次の一歩」が見つかるものです。

防止策をやってみたけれど、どうもうまくいかない…やっぱり再発してしまった…そんなこともあるかもしれません。

参考としてご覧いただきながら、支援者も巻き込んで、お子さんの不登校の問題を根本的に解消していきましょう。

不登校の再発防止策①お子さんの様子を見守り、早めに対応する

不登校になるとき、再発するときというのは、何らかの前兆があることが多いです。不登校状態の再発を防ぐためには、先述したサインがないか見守り、気が付いたときには、早めに休ませる、丁寧に話を聞く、学校に連絡しておくなど、早めに対応しましょう。

不登校の再発防止策②最初から全出席させようとしない

登校を再開するとき、思っている以上にエネルギーを使います。「全部出席しなくては…」と無意識のうちに思っていることも多いですが、週2からはじめてみよう、午前中で帰ろう、最初は別室登校にしよう、放課後に行ってみようなど、柔軟に考えることが大切です。また、親御さんも先生も、元気そうな姿・できている姿を見ると、次のステップに進みたくなってしまいがちです。決めたけれど行けなかったり、再び不登校になって「やっぱりダメだった…」と挫折感を味わうよりも、どんなに小さな変化であってもスモールステップで達成感を感じられた方が、自己肯定感・自己効力感が高まり、解決への近道になることが多いです。
お子さんと相談しながら、お子さんにとってのスモールステップを設定してみましょう。場面ごとの疲れや不安、負担感などの心の状態を数字で表して、モニタリングしてみることもオススメです。

不登校の再発防止策③お子さんの気持ちを聞く

「学校でうまくやってほしい」「もう不登校状態にならないようにしたい」親御さんがそう思うほど、お子さんのためにアドバイスをしたくなるかもしれません。でもお子さんはアドバイスを求めていないことが多いです。親御さんに「自分の気持ちをわかってほしい」と思っています。そして、「親御さんがわかってくれた」と感じた時、気持ちが楽になり、エネルギーが出てくるものです。あまり話をしないお子さんもいらっしゃるかもしれませんが、「わかってあげたい」という思いで、お子さんの抱える思いを聞いてみましょう。

不登校の再発防止策④今の学校(クラス)にこだわらない

不登校のお子さんを支援している公的機関として、教育支援センターや適応指導教室などがあります。(名称や利用方法は自治体によって異なるので、学校や自治体の相談機関に問い合わせてみましょう)不登校の理由によっては他の公立学校に転校することも可能です。私立学校に通っている場合は、公立学校に転校することもできるでしょう。進級や進学が良いきっかけになることもあります。
家庭の事情によっては難しいかもしれませんが、民間のフリースクールやオルタナティブスクールもあります。
特に高校生の場合は、通信制高校・定時制高校・高卒認定試験という選択肢もあります。
お子さんの生きる道は、「今の学校(今のクラス)への登校再開」だけではありません。人生には様々な選択肢があることを忘れないでください。

不登校の再発防止策⑤学校と家以外の居場所を見つける

お子さんの世界は、学校と家であることがほとんどです。そして、悩みごとの多くも学校か家のことです。そこにもう一つ、違う世界が見つかるだけでも、お子さんの世界は大きく広がっていきます。多様な価値観・生き方に触れることができます。「学校がすべてではない」ということを体感できるのではないでしょうか。
先述した適応指導教室やフリースクールでも良いですし、習い事や趣味の集まり、ボランティア、アルバイトなどでも良いでしょう。
お子さんにとって居心地の良い場所、力を発揮できる場所を探してみてください。

不登校の再発を克服する方法 まとめ

不登校が再発する原因と親御さんができることをお話ししてきました。
この記事が、不登校再発の解決に向けて、次の一歩を踏み出せるようなお手伝いができれば幸いです。

また、不登校の原因や抱えている背景は、お一人お一人異なります。親御さんができることも、お子さんの性格やご家庭の事情によって異なります。

学校や公的・民間の相談機関・支援団体など、不登校状態が再発した場合に相談するところはたくさんあります。
どうか、親御さんだけで抱え込まないでください。


YSカウンセリングセンターでは
「子どもが(また)不登校になってしまった…」
「子どもの不登校状態が続いている…」
「このままどうなってしまうのか不安だ…」
という親御さんの無料相談を受け付けています。

子どもをよみがえらせるのは、医者でも、薬でも、相談員でもありません。
お子さんの不登校を解決するカギは、親御さんの「接し方」にあります。

ご家庭でのお子さんの様子や親御さんのお悩みなど、じっくりマンツーマンでヒアリングを行い、解決までの道すじを、具体的にご相談いただけます。
また、不登校を解決した事例やお子さんのことで悩む親御さんの交流の場もご用意しています。

経験豊富なカウンセラーが対応いたしますので、少しでも気になる方はお気軽にご連絡ください。


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