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この記事を書いた人:武山 円 
YSこころのクリニック・YSカウンセリングセンターカウンセラー
スクールカウンセラー 公認心理師

誰にも話せず、悩んでいませんか?

「家族が家の外に出られない」
「本人も苦しんでいる様子だけれど、どのように関わっていけばわからない。」
「私の育て方が悪かったのかしら」

あなたは今、ご家族のひきこもりについて悩んで、このページにたどりついてくださったのではないでしょうか。

ご家族のひきこもりを何とかしようとしているものの上手くいかず、ストレスが溜まり「もう限界…」と疲れ切っているかもしれません。無力感を感じているかもしれません。

「家族が辛い思いをしているのに、私だけが楽しんでいいの?」
そんな罪悪感を抱えているかもしれません。

その悩みやストレス、疲れ、無力感、罪悪感は、愛するご家族を思う大きな大きな愛だと私は思います。そしてそれが、あなたの大切なご家族を救う一番の力になると思います。

この記事では、ひきこもりの原因とひきこもりを解決する秘訣についてお伝えします。

ご家族のひきこもりに悩まれるあなたの、希望の光を見つける一助になれることを願っています。

<この記事を読んでわかること>

ひきこもりってどういう状態?~ひきこもりとは~

ひきこもりとは、様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を避けて、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態のこと(他者と交わらない形での外出をしている場合も含む)を指します。

なお、統合失調症などの精神疾患によって家にこもっている状態とは区別されていますが、実際には確定診断がなされる前の統合失調症などの精神疾患が含まれている可能性もあると考えられています。

*参考:「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(平成22年5月、厚生労働省)

ひきこもりって特別なこと?~全国のひきこもりの人数~

内閣府のひきこもりに関する具体的な調査によると、「ふだんどのくらい外出しますか」という設問に対し、①自室からほとんど出ない 、②自室からは出るが、 家からは出ない、③近所のコンビニなどには出かける、④趣味の用事のときだけ外出する、のいずれかを回答し、かつ、その状態となって6か月以上経つと回答した者を「広義のひきこもり群」と定義しています。

2016年に行われた15~39歳に対する調査結果では「54.1万人」、2019年に行われた40~64歳に対する調査結果では「61.3万人」の方が広義のひきこもりの状態だと推定されており、合計すると115.4万人、つまり、日本全国で100万人以上の方がひきこもりの状態にあるということです。

ひきこもりの家族がいることを認めていない、対外的に公表していない家族もいるため、潜在的にはもっと多くのひきこもりの方がいることになります。

*参考:内閣府「若者の生活に関する調査報告書」(2016年、2019年)

ひきこもりの原因って何?~ひきこもりのきっかけは〇〇だった!!~

15~39歳の方がひきこもり状態になったきっかけは以下の通りです。
・不登校
・職場になじめなかった
・就職活動がうまくいかなかった
・⼈間関係がうまくいかなかった
・病気
・受験に失敗した
・⼤学になじめなかった

40~64歳の方がひきこもり状態になったきっかけは以下の通りです。
・退職したこと
・⼈間関係がうまくいかなかったこと
・病気
・職場になじめなかったこと
・就職活動がうまくいかなかったこと
・学生時の不登校

*参考:内閣府「若者の生活に関する調査報告書」(2016年、2019年)

いかがでしょうか。もちろんここにあげたものは、「これがきっかけ」と明言されたものにすぎず、ひきこもりに至るストーリーは一人一人異なるでしょう。
また、様々な要因が複雑に絡み合っているケースもありますが、ひきこもりに至るきっかけとして「挫折体験」が多いことがわかります。

100万人以上もの人がひきこもりの状態にある、そのきっかけは人生の中での「挫折体験」にある、つまり、私たちは、どの子もどの人も、どこの家庭にも、ひきこもりは起こりえることなのです。決して特別なことではありません。

ひきこもりの原因① 精神疾患との関係

ひきこもりの定義から考えると、精神疾患が原因で、外出できない・他者と関われない方は、ひきこもりには含まれないことになります。
しかし、本当は、精神疾患があるにも関わらず、そのことに気づかず、見過ごされている状態、また、精神疾患をご家族としては疑っていてもなかなか医療機関を受診できず、診断や治療につながっていないケースもあるでしょう。

例えば、うつ病や不安障害、統合失調症などを抱えている人は、社会との関わりを避ける傾向があります。また、ひきこもりによる社会的な孤立やストレス、孤独感などが、精神疾患を引き起こす可能性もあります。

つまり、ひきこもりと精神疾患は密接に関連しています。精神疾患に対する理解も、ひきこもりの原因を理解するうえで重要になってきます。

ひきこもりの原因② 発達障害との関係

発達障害とひきこもりの因果関係が指摘されることも多くあります。
例えば、ASD(自閉スペクトラム症)の人は、社会的なコミュニケーションや人間関係の構築が難しい場合があります。このため、他者との関わりを避ける傾向が強まり、ひきこもりのリスクが高まることがあります。また感覚過敏がある場合も多く、さまざまな音やにおい、刺激などへの対応に困難を感じ、次第に外出しにくくなることがひきこもり状態につながってしまうということもあります。

ADHD(注意欠如・多動症)の人であれば、不注意や衝動性といった特性から叱責を受け、自信を喪失したり、外出を避けることでひきこもりにつながってしまうことがあります。

また、LD(学習障害)のある人は、学習でのつまずきによって学校に行きたくないと感じ、結果的にひきこもりにつながることがあります。

いずれにしても、特性そのものは決して悪いことではなく、むしろ、その人の才能です。
しかし、発達障害の人が抱える日常生活や社会との関わりの中でのストレスや不安が、ひきこもりへとつながってしまうケースがある、つまりひきこもりは「二次障害」だということです。ひきこもりの原因として、発達障害への理解も深める必要があります。

ひきこもりの原因③ 不登校との関係

文部科学省によると、不登校は「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義されています。

不登校とひきこもりの2つを比較すると、「不登校」は高校生までの学校に通う児童や生徒までが対象なのに対し、「ひきこもり」はそれ以上の年齢の方までを含む広範な定義となっています。また、ひきこもりの場合は6ヶ月以上にわたって家にふさぎ込む状況が続くという長期間に及ぶものです。

定義としては、別のものですし、不登校の児童生徒の全員がひきこもりになるわけでは決してありません。しかし、ひきこもりになる原因の一つとして、不登校があると考えられています。不登校で、自宅以外の場所での活動がないまま6ヶ月以上家から出ない状況が続くと、ひきこもりへと移行してしまう場合があるのです。
実際に、学校でカウンセリングをしていると、不登校に関する相談の際には、必ずと言っていいほど、「このままひきこもりになってしまうのではないか」という不安が語られます。

ひきこもりの原因のとらえ方

ここまで、ひきこもりのきっかけとして、「挫折体験」が多いということ、また、ひきこもりの原因として話題となる「精神疾患」「発達障害」「不登校」についてお話してきました。
しかし、あくまでも、ひきこもりのきっかけであり、ひきこもりの背景にすぎません。
その根底には、自己肯定感の低さやそれによる意欲の低下、不安感などの共通した心の状態が考えられます。

家族としては、どうしても「なぜひきこもりになったのか」という理由や原因が気になり、突き止めたくなるでしょう。ですが、原因探し=犯人探しは、あまり意味をもたないものです。ひきこもりの心の状態を根本から解消していくことがひきこもりを解決していく重要なカギになるのです。

ひきこもり解決の3つのカギ!

すべての引きこもっている人に「治療」や「支援」が必須というわけではありません。何らかの目的を持って引きこもっている方、経済的・環境的に引きこもることが可能な状況にある方には支援は必要ありません。しかし、多くのひきこもり当事者やそのご家族が、ひきこもり状況に苦しみ、解決を望んでいることも事実です。
ここでは解決を望む方が、好転に向けて大きく進んでいただくための、「3つのカギ」をご紹介します。

ひきこもり解決のカギ① ご本人が安心できるコミュニケーション

ひきこもりの方は、自己肯定感の低さや不安感を抱えていることが多いです。そしてひきこもりの状態になることで、さらに、自己否定感を強く感じ、自信が喪失した状態になっていきます。厚生労働省の調査でも、多くの人が不安なこととして「家族に申し訳ないと思うことが多い」と語っています。

そのため、一見すると矛盾しているようですが、「安心して引きこもれること」が解決への大きな一歩になります。

引きこもっていてもいなくても、ご家族にとって大切な存在であること、ご本人の存在意義は変わらないものです。「あなたに出会えてよかった」「あなたは大切な存在」その思いを伝えていくことが大きな力となります。

直接伝えることが難しいこともあるかと思います。今すぐできることとして、もともと持ってらっしゃる良いところや素敵なところ、これまでに楽しかったことや嬉しかったこと、好きなことなどをできるだけたくさん書き出してみることをおすすめします。

それだけ?と思われるかもしれませんが、ひきこもりの方は、非言語コミュニケーションに敏感な方が多いです。
カウンセリングをさせていただいたひきこもり当事者の方が、後日談として、「お母さんの足音が変わったからドアの外に出てきた」と教えてくれたことがありました。
ご家族の心の変化が一番の力になりますので、ぜひ、まずご家族の方から取り組まれてみてください。

ひきこもり解決のカギ② ご本人の欲求を生かす

「ゲームばかりしている」「全然勉強しない」「仕事を探しているそぶりもない」と悩まれる声もよくお聞きします。大切なご家族の将来を思えばこそのお悩みですね。

ですが、その「ゲームをしたい」というお気持ちがあることは素敵なことで、「楽しみたい」という欲求が根底にあるのではないでしょうか。ゲームを通じて、他者とのコミュニケーションを取り戻して、自信になったという人もいます。

私たちは生きていくうえで欲求は必要不可欠なものであり、様々な意欲の根っこにあるものです。「眠りたい」「食べたい」「遊びたい」どんな欲求であっても、私たちの生きる意欲の表れです。そして、その欲求を発見し、生かしていくことが、ご家族の将来へとつながっていくのです。

ひきこもり解決のカギ③ ご家族がまず苦しみを解消し、幸せになる

「子どもが元気になってくれたら、私も元気になれるのに…幸せになれるのに…」
そう思う、愛情いっぱいの親御さんもいらっしゃるかもしれません。
ですが実は、親御さんの幸せが先なのです。

親御さんの幸せは、お子さんに安心感と幸福感を与えます。
また、親御さんが幸せで充実している姿を見せることで、お子さんはポジティブなモデルとして学んだり、社会に希望を見出したりします。
「外の世界には楽しいことがたくさんある」という希望の光を、親御さんが身をもって示すことにつながるのです。

ひきこもりの高齢化はどう考える?

親御さんの関わりを考える際に、切り離せないのがひきこもりの高齢化の問題です。
今やひきこもりの長期化・高齢化は社会問題となっています。ひきこもりの子どもが高齢化するということは、当然両親も高齢化するということです。親御さんが高齢化することで、経済力も体力もなくなっていきます。自分が亡くなったあとのひきこもりの子どもに関して不安を感じる親も少なくありません。

経済的な面としては、ご本人に働く意欲が出てきている場合は、就労継続支援などの福祉サービスを受けるのも良いでしょう。
また、障害年金や生活保護の受給の対象になるケースもあります。
行政の運営している「ひきこもり地域支援センター」などに相談し、受けられる福祉サービスがないか相談するなど、ご家族だけで抱え込まないことが大切です。

ひきこもりの原因と解決策 まとめ

ご家族が相談に行くことが、ひきこもりの原因を解消し、好転する1番の近道です!!
「ひきこもりは家族の問題だから」
「できるだけ他人に知られたくない」
「一度相談に行ったけれど何も変わらなかった」
「相談に行って逆に嫌な思いをした」など、
家庭で抱え込むことで、長期化したり、状況の悪化につながる場合が多いです。

また、親御さんご自身の生き方や考え方、親子関係と向き合あわざるをえなくなり、苦しんでいらっしゃることも多いです。

まずは、専門家に相談し、ご家族が安心感を得られると大きく解決に向けて前進します。
ひきこもりの本人を何とかしてほしい、ご本人を専門家につなげたいという方も多いですが、まずは悩まれているご家族が相談をしてサポートを受けること、専門家も巻き込んで、チームとして対応していくことが、解決への一番の近道なのです。

YSカウンセリングセンターでは

「わが子がひきこもりでどうしたらよいかわからない…」
「このままどうなってしまうのか不安だ…」
「出口が見えず、もう限界…」
という親御さん・ご家族の無料相談を受け付けています。

お子さんをよみがえらせるのは、医者でも、薬でも、相談員でもありません。お子さんのひきこもりを解決するカギは、親御さんが握っています。
ご家庭でのお子さんの様子や親御さん・ご家族のお悩みなど、じっくりマンツーマンでヒアリングを行い、解決までの道すじを、具体的にご相談いただけます。ひきこもりが見事に好転していった事例のご紹介も可能です。
経験豊富なカウンセラーが対応いたしますので、少しでも気になる方はお気軽にご連絡ください。
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