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この記事を書いた人:武山 円 
YSこころのクリニック・YSカウンセリングセンターカウンセラー
スクールカウンセラー 公認心理師

ひきこもり状態からどうすればいいか? ~ひきこもりを解決する方法 5選~

「子どもが外出せずに部屋にこもりきりになってしまった。どうしたらよいのだろう…」

「どうしてひきこもってしまったの?甘えているのでは…どう接したらいいの?」

「いろいろな手はつくしたけれど、子どもが全然変化せず、ひきこもりのまま。どうしたらいいの?」

大切なご家族がひきこもりの状態にあると、心が真っ暗になって、暗闇の中を歩いているような気持ちになるのではないでしょうか。

また、どうして頑張れないのか、ただ甘えているだけではないのか、改善しない状況に、腹立たしさや苛立ちを感じることもあるでしょう。

「育て方を間違えたのではないか」と不安に思い、自分を責める方も多いです。

今回は、ご家族のひきこもりに悩むあなたに、ひきこもりになったらどうすればいいの?というテーマで、ひきこもりを解決する方法をお伝えします。

この方法で、

「ひきこもりの子どもが社会復帰しました!」

「数年間ひきこもりで顔も見られなかった子どもが部屋から出てきました」

「何年振りかに子どもと笑顔で写真を撮ることができました」

など、ひきこもりが解決した体験談をたくさんいただいています。

この記事が、ひきこもりに悩むあなたの希望や道しるべになるのなら、これ以上嬉しいことはありません。

この記事を読んでわかること

ひきこもりってどういう状態?

ひきこもりとは、様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を避けて、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態のこと(他者と交わらない形での外出をしている場合も含む。)を指します。
*参考:「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(平成22年5月、厚生労働省)

つまり、まったく家から出られない状態の人も、家で過ごす時間は長いがコンビニへは買い物に行ける、散歩や図書館などには行ける、などの状態の人も、合わせて「ひきこもり状態」と定義されています。社会的に他者とかかわりのない状態が長く続いている状態ということですね。

2016年と2019年に行われた調査結果によると、日本全国で110万人以上の方がひきこもりの状態にあるということです。
*参考:内閣府「若者の生活に関する調査報告書」(2016年、2019年)

ひきこもりの家族がいることを認めていない、対外的に公表していない家族もいるため、潜在的にはもっと多くのひきこもりの方がいることになります。

ひきこもりの原因って何?~年代別ひきこもりのきっかけ~

10代~30代の方がひきこもり状態になったきっかけ

・不登校
・職場になじめなかった
・就職活動がうまくいかなかった
・⼈間関係がうまくいかなかった
・病気
・受験に失敗した
・⼤学になじめなかった

40代~60代の方がひきこもり状態になったきっかけ

・退職したこと
・⼈間関係がうまくいかなかったこと
・病気
・職場になじめなかったこと
・就職活動がうまくいかなかったこと
・学生時の不登校
*参考:内閣府「若者の生活に関する調査報告書」(2016年、2019年)

年代別に特徴はありますが、
学校生活や仕事上でうまくいかなかったことがきっかけになることが多いです。

そういった誰にでも起こりえる「挫折体験」がひきこもりの引き金になるのです。

また、精神疾患や発達障害との関連もあると言われています。

ひきこもりの原因探しから一歩前進しましょう

しかし、同じような挫折体験、同じような環境・状況であっても、ひきこもりになる人とならない人がいます。その根底には、自己肯定感の低さや心の葛藤など、心理的な要因があることがほとんどです。

どうしても「なぜひきこもりになったのか」という原因に目を向けがちですが、こういった原因探しは、犯人探しとなってしまいます。そうすると、だれか(どこか)責める矛先を探しているにすぎず、ひきこもりを解決するという意味では、意味をなさないことがほとんどです。むしろ、苦しみを大きくしてしまうことにもなりかねません。

引きこもり状態から自立するためには、どうすればいいの?

では、原因探しから一歩進んで、子どもが自立するためにはどうしたらいいの?ということをお話ししたいと思います。「子どもに自立してほしい。」これは、多くの親の願いではないでしょうか。「親が先に死ぬから」と、引きこもりの子どもを持つ親御さんは、誰もが一度は不安になったり、悩んだりしたことがあるのではないでしょうか。
自立への道は、ひきこもっているご本人が自分を受け入れ、意欲が生まれ、未来への希望を見出し、動き出す。そうやって、自らの足で歩んでいくものだと思います。
また、ここで大切なことは、「自立とはなにか」ということを考えてみることです。「自立=働くこと」にこだわっていると、なかなか親御さんもご本人も苦しいかもしれません。人それぞれに、多様な「自立のあり方」があります。多様な生き方があります。自分にとっての幸せ、自分にとっての自立を考えることが大切です。

ここまでお話すると、ひきこもりの子をもつ家族にできることはないの?と思われるかもしれません。ひきこもりのご家族にできること、それは、ご家族自身が幸せになること、幸せであることです。ひきこもりのご本人を見守りながら、ご家族自身が幸せに生きていくこと、それこそが、ひきこもりのご本人に良い影響を与えるのです。
ここからは、ひきこもりのご本人への接し方とご家族の過ごし方の両面から「今すぐ実践できるひきこもりを解決する方法」をお伝えします。簡単なものですので、ぜひ今日から実践されてみてください。こんなこと意味があるの?というものもあるかもしれませんが、実践することが解決への第一歩です。

ひきこもりの状態からどうすればいい?ひきこもりを解決するカギとは

ひきこもりを解決するカギは、「心と行動を変化させる」ことにあります。ひきこもり状態になっている根底には、心の葛藤や自己肯定感の低さなどの心の要因があります。この心に直接アプローチして変化をさせることが大切です。
また、それと同時に行動も変化させることが重要です。「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」とか「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という心理学のお話があります。実際に、リゾート地に行って明るい気持ちになったり、怒っているうちにどんどん腹が立ってきたり、日常生活でも、心と行動が一対になっていることを体験された方も多いのではないでしょうか。あえて、行動から変化させていくことで、そこに心がついてくる、引き出されるということもあるのです。
ご紹介する方法は、ひきこもりの状態にあるご本人が行っても、もちろん効果的ですが、最初のうちは難しいことが多いです。そんなときは、まずご家族が実践してください。親御さんが安心して満たされていると、お子さんにも影響します。親御さんの行動が変わると、お子さんの良いモデルになります。一対になっていると言っても過言ではありません。小さなことからでも構いません。毎日コツコツ実践されてみてください。

ひきこもりの状態からどうすればいい?<心を変化させる3つの方法>

ひきこもりの解決策・心編①ジャーナリングをする

ジャーナリングとは、自分の思っていることや考えなど、思い浮かんだことをそのまま書き留めることを言います。紙に書き出しても、携帯のメモ欄などを活用しても良いでしょう。頭の中で考えているとモヤモヤとしていて無限ループのようになっていたり、「こんなことを思ってはいけない」「こんなふうに考えてはダメ」とご自分の心にフタをしてしまっていることも多いです。ぜひ、ご自分のありのままの思いを、ただただ書き出してみましょう。書くことで、物事の整理ができたり、自分のことを理解できたり、自分のことを肯定できたりすることも少なくありません。
コツは、誤字脱字は気にせず、文章の上手・下手も気にせず、ただただ書くこと、ありのままの思いを書くことです。人には言えないような汚い言葉や暴言を使っても良いでしょう。何か気になることがある場合は、そのことに絞って書いてみても良いでしょう。特にマイナスなことを書かれた場合は、書き終わった後に思い切りやぶいて捨ててしまうことも効果的です。「心のゴミ出し」をして捨てることになるのです。


ひきこもりの解決策・心編②良いところ・楽しかったこと・うれしかったことを書き出す

ジャーナリングをした場合にセットで行ってほしいのが、ご自身やご家族の良いところ・楽しかったこと・うれしかったことなどを書き出すことです。これからやってみたいワクワクすることを書き出すのも良いですね。抱え込んでいた思いを吐き出したり、整理したりすることもとても重要なことですが、心のハンドルをきることも大切です。心の仕組みとして、私たちはマイナスの思いにとらわれると、その思いがどんどん増幅してしまいます。ご自身やご家族の良いところ・楽しかったこと・うれしかったことなどを書き出して、心のハンドルをきりましょう。
親御さんは、お子さんが生まれたときのことを思い出していただくこともオススメです。ぜひ、無事に生まれてきてくれた喜び、成長の喜びを思い出されてみてください。

ひきこもりの解決策・心編③ひきこもりになった意味を書き出す

「そんなのわからないよ」「ひきこもりに意味なんてあるの?」そんな声が聞こえてきそうですね。しかし、ひきこもりになった経験が大きな意味をもつことは多いです。実際にひきこもりから回復された方の体験談をお聞きしていると、「ひきこもりになったおかげで」「わが子がひきこもりになってくれたおかげで」とお話されることがほとんどです。
例えば、「ひきこもりになる前は自分を押し殺して働いていたけど、ひきこもりになって本当に自分を大切にできるようになった。自分の夢が見つかった」とか「家族がひきこもりになったのは本当に苦しかったけれど、そのおかげで人の心の痛みがわかるようになった。人の役に立てるようになった」などです。ひきこもりの経験は、休養がとれたり、視野が広がったり、人生を見つめる機会になったりします。「ひきこもり=悪者」ではなく、「ひきこもり=人生の協力者」でもあるのです。
最初から、ひきこもりになった意味を書き出すのは難しいかもしれませんが、「ひきこもりになって良かったこと」から、ぜひ少しずつ書き出してみてください。「たくさん眠れた」「ひきこもりの人の気持ちがわかった」「心配してくれる人の存在を知った」などなど、どんなにささいなことでもかまいません。書き出しているうちに、ご自分の中から答えが出て、一歩踏み出す原動力になっていきます。そういった見方・視点があるんだと思うだけで、心の方向性というのはグッと変化しています。ぜひまずは、「やってみよう」と意識を向けてみてください。

ひきこもりの状態からどうすればいい?<行動を変化させる3つの方法>

ひきこもりの解決策・行動編①安心してひきこもれる環境を作る

「安心して引きこもれるようにする」なんて聞くと、そんなことをしたらますます外に出なくなってしまうのでは?甘やかしているのでは?と思う方もいるかもしれません。なんとか外に出てもらえるように声をかけたり、声をかけないまでもアプローチしたりしていませんか?自分ではそのつもりはなくても、にじみ出ていることもあるかもしれません。
勇気がいることかもしれませんが、まずは思い切って、安心してひきこもれる環境を作ることを意識してみてください。引きこもらざるを得ないという事は、現在の環境が、自分を出せる安心な環境ではないということでもあります。「どんな自分でも受け止めてもらえる」という安心感が自己肯定感につながり、それが意欲へとつながっていくのです。

ひきこもりの解決策・行動編②あなたが元気になれる場所に行く

ひきこもりの状態にあるご本人も、ご家族も、不安な状態にある、自信をなくしている、そして、その心の状態で心が固まってしまって、身動きがとれない状態になっていることも少なくありません。それと同時に、自分の好きなことも制限をしていたり、そもそも「好きなことをする」という発想も忘れてしまっていることも多いです。
あなたが安心できる・元気になれる場所やあなたを励ましてくれる人に会いに行って心のギアチェンジをしましょう。今すぐ外出して、会いたい人に会いに行くことは難しいかもしれませんが、連絡をとってみるとか、夜に近所を歩いてみるだけでも良いでしょう。また、夕飯に好きなものを食べるとか、好きなお菓子を買いに行くとか、好きなコーヒーをもって散歩に行くとか、小さなことでもかまいません。
人の心は、環境によって明るくなったり、暗くなったりするものです。安心できる環境や励ましてくれる人、自分の好きなことと出会うことによって、暗くなった心から明るい心が引き出されます。また、親御さんが明るい心で接すると、お子さんの明るい心を引き出すことにもつながりますし、親御さんが「好きなことをして生き生きしている」ということは、お子さんのロールモデルにもなっていきます。

ひきこもりの解決策・行動編③あなただけでがんばらない

一番のポイントは、あなた一人だけでがんばらないことです。ひきこもりの方・そのご家族の方へ向けた支援もたくさんありますし、あなたを助けたいと思っている人もたくさんいます。どんなささいなことでも、どうか抱え込まずに、助けを求めてください。
そうして、今までとは違う風が入ることで、変化が引き出されていくものです。相談することが、一番大きな一歩となるのです。

厚生労働省では「仲間、相談、支援のヒント つながりたいあなたへ」ということで、相談窓口を案内しています。
例えば、
・自立相談支援機関…生活全般にわたる困りごとや悩みを受け付けています
・地域若者サポートステーション…働くことに踏み出したい15~49歳の方を対象に「働き出す力」を引き出し、「職場定着するまで」を全面的にバックアップする機関です
・よりそいホットライン…どんなひとの、どんな悩みにもよりそって、一緒に解決する方法を探す24時間365日無料の電話相談窓口です。
など、ひきこもりに関する参考資料や関連情報を集めたリンク集になっています。

YSカウンセリングセンターでは、ひきこもりのご家族のご相談を受け付けております。
クリニックも併設しており、ご希望に応じて医師の診察を受けながら、ひきこもりの心の原因を根本から解消していく道すじをご相談していただくことができます。

ひきこもりの状態をどうすればいいの? まとめ

ひきこもりの状態をどうすればいいの? というテーマで、ひきこもりを解決していくために、日常生活の中で今すぐできることをご紹介しました。
どれも根本の心の状態を解消し、ひきこもりの状態を好転させていくことにつながるワークですので、ぜひ、まずははじめてみてください。

今、あなたは、出口の見えない真っ暗闇を歩いているような気持ちかもしれません。
ですが、お一人お一人、それぞれに、解決策は必ずあります。

YSカウンセリングセンターでは、
「わが子がひきこもりでどうしたらよいかわからない…」
「このままどうなってしまうのか不安だ…」
「出口が見えず、もう限界…」
という親御さん・ご家族の無料相談を受け付けています。

お子さんをよみがえらせるのは、医者でも、薬でも、相談員でもありません。お子さんのひきこもりを解決するカギは、親御さんの「接し方」にあります。
ご家庭でのお子さんの様子や親御さん・ご家族のお悩みなど、じっくりマンツーマンでヒアリングを行い、解決までの道すじを、具体的にご相談いただけます。ひきこもりが見事に好転していった事例のご紹介も可能です。
経験豊富なカウンセラーが対応いたしますので、少しでも気になる方はお気軽にご連絡ください。


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