読み込み中

コンテンツ CONTENTS

この記事を書いた人:武山 円 
YSこころのクリニック・YSカウンセリングセンターカウンセラー
スクールカウンセラー 公認心理師

【ひきこもりの方への接し方Q&A】

・なぜ、わが子がひきこもりに…?

・育て方を間違えてしまったのか…

・子どものために頑張ってきたのに、なぜ…?

・一生、ひきこもりのままなの?

・兄弟である自分が将来は面倒をみないといけないのかな…

・家族がひきこもりなんて、周囲からどう見られるか…そんなふうに思う自分も辛い…


大切なご家族がひきこもりの状況にあると、大きな心配やストレスを感じていらっしゃるのではないでしょうか。胸のはりさけるような思いで、何とか解決したくて、このページを読んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

ひきこもりのお子さんとの接し方がわからない、腫れ物に触れるように接してしまう、どう関わったらいいかわからない…という親御さんは少なくありません。ご自身の育て方が悪かったのではないか…とご自身を責めていらっしゃる親御さんも多いです。

中には、ひきこもっているお子さんから、親御さんの育て方を責められたという方もいらっしゃいます。「毒親」だと言われた方もいます。

たしかに、お子さんにとって「良くない育て方」「良くない接し方」があったかもしれません。
ですが、親御さんご自身も、そのように育てた、そのように接した、理由があったのではないでしょうか。ご自身も同じように育てられた、自分のようにはなってほしくなかった、幸せになってほしかったから、精一杯で余裕がなかった、など……

私は、ひきこもっているご本人も、親御さんも、懸命に生きてこられた結果が、ひきこもりだと思っています。
愛するご家族のために、これまでよく頑張ってこられましたね。
その頑張りに、そしてこの場にいてくださることに、敬意を表します。

ひきこもりは決して「悪いこと」でも「問題」でもありません。
ご本人、ご家族共に、ご自身の生き方や命を見つめ直し、本当に大切なことに気が付かれる最高の機会になられるのではないでしょうか。

ひきこもっている方の数だけ、ひきこもりの原因・理由があります。

このページでは、「ひきこもりの犯人探し」ではない、ひきこもりの方、またそのご家族の人生が好転していく接し方をご紹介します。

ひきこもりで悩む、おひとりおひとりの、幸せな毎日につながっていくのならこれ以上嬉しいことはありません。

この記事を読んでわかること

【Step1 ひきこもりに対する理解を深める】

そもそもひきこもりってどういう状態?

Q1,なぜひきこもりになるのですか?

A.ひきこもりの原因は、個人によって様々で、それぞれのストーリーがあるものです。
一般的には、うつ病や不安障害などの心理的な問題、いじめや虐待などのトラウマや過去の経験、発達障害等によるコミュニケーションの困難さ、家庭環境の問題、学業や職場でのストレスなどを背景として抱えているケースが多いです。
ただ、同じ問題を抱えていても、ひきこもりになる人とならない人はいます。「特殊な問題を抱えた人」ととらえるのではなく、誰にでもありえることだと理解するのが良いでしょう。

以下の「ひきこもりの原因はいったい何?」という記事では
ひきこもりの原因について詳しく解説しておりますのでこちら記事も参考にしてください。
↓  ↓  ↓

Q2,ひきこもりは怠けているのではないですか?頑張ったら外に出られるのでは?

A.決して、怠けや努力不足ではありません。ひきこもりの方は、精神的な苦痛や不安、孤独感、自己否定などの感情を感じている方が多く、心の内には強い葛藤を抱えていることがほとんどです。実は、誰よりも頑張っている、とも言えるかもしれません。

Q3,ひきこもりの人は社会復帰は難しいのでしょうか?

A.ひきこもりの人でも社会復帰することは十分に可能です。社会復帰のプロセスは人それぞれですが、社会とのつながりを取り戻し、自立した生活を送ることができる可能性は皆さんがもっています。ただ、ご家族だけで抱え込み、長期化していくほど、改善が難しくなっていきますので、専門家への相談をおすすめします。

【Step2 ひきこもりの方への効果的な接し方を知る】

ひきこもりの方に接するうえで大切なこととは?

Q4,ひきこもりの方にしてはいけない接し方はなんですか?

将来への不安から、だらしない生活をしているひきこもりのご家族を見ると、
思わず責めてしまうこともあるかもしれません。

しかし、議論や正論、説得など、理詰めの話は、ご本人を追い詰めるだけです。
ひきこもりに限らず、特に親は子どもの心配な点、気になる点ばかりが目につき、
ネガティブに評価してしまいがちになることが多いです。

ひきこもりのご家族の良いところや変化を伝えることを意識されてみてください。

また、将来の話や、

「近所の〇〇さんが結婚した」
「お友達の〇〇さんが転職したそうよ」

などと言った、同世代の友人・親類の噂話は避けた方が良いでしょう。
比べられているように感じたり、ご本人自身が比較して自分を責めてしまう可能性があります。

Q5,ひきこもりの方へ接する際に一番大切なことはなんですか?

A.一番大切なことは、ご本人が「安心」できることです。極端な言い方をするとすれば、「ご本人が安心してひきこもれる接し方」をすることです。

そんなことをしたら、余計にひきこもってしまうのではと不安に思われる方もいるかもしれません。ひきこもっている状態に引け目を感じ、一番苦しんでいるのは、ご本人です。

人は、安心して、自信がもてるようになると、自然と何かをやってみたい、やりたいという思いが出てくるものです。意欲の根っこは元々ご本人の中にあります。その芽が出るよう、育つよう、ご本人が安心できる接し方を心がけましょう。

Q6,ひきこもっている人が安心できる接し方とはどのような接し方ですか?

A.ひきこもりの方が安心できる接し方のコツは以下の通りです。

■非言語コミュニケーション:
言葉だけでなく、表情や身振り、目線などの非言語コミュニケーションに敏感な方がとても多いです。ご家族が穏やかな気持ちで、リラックスして過ごすことで、ひきこもりの方に安心感を与えることができます。

■聴く姿勢
多くの方が、自分の気持ちを「わかってほしい」と思っています。相手の気持ちや考えに寄り添い、受け止める姿勢を示すことで、安心感を与えることができます。
ときには、ご家族を批判するような言葉が出てくることもあるかもしれません。それは、ご自分の気持ちを話せるようになった証拠、大きな前進です。「教えてくれてありがとう」と、ただただ、「わかってあげたい」という気持ちで接してみましょう。

■尊重とプライバシー
ひきこもりの方のプライバシーや個人的な空間を尊重し、無理に外部との交流を強要しないようにしましょう。自分の意見や解決策を押し付けるのではなく、相手の意向を尊重することが大切です。

■ポジティブな言葉遣い
言葉の力はとても大きいです。無理に励ましたりする必要はありません。ご家族自身が、否定的な言葉や批判は避け、前向きな言葉を発するように心がけましょう。

Q7,ひきこもりの方に接するうえで、今すぐできることはありますか?

A.ひきこもっている方、そのご家族、ご自身の良いところをできるだけたくさん書き出してみてください。
私たちは、不安なことや心配なことがあると、どうしてもそちらにフォーカスしてしまいます。そして、まるで「心配・不安のメガネ」をかけているように、その不安なことや心配なことは大きく感じます。逆に、「考えないようにしよう」といくら頭で思っても、それは心配事や不安な事を強く意識しているのと同じです。

そこでオススメなのが、良いところを書き出すこと。良いところだけでなく、得意なことや好きなこと、うれしかったことや楽しかったことなどの過去の思い出でもOKです。

ひきこもりでもそうでなくても、ご本人もご家族の方も、そのすばらしさや存在意義は不変のものです。ぜひ、もともと持っていらっしゃる力を発見してみてください。

ご本人に伝えなくてもかまいません。ご自分が書いていただくことが1番です。そうすることで、自然と、Q4でお伝えした、表情などの非言語コミュニケーションや聴く姿勢、向き合う姿勢、出てくる言葉がかわっていくものです。ひきこもっている方に会えなくてもできることです。今からはじめてみてくださいね。

【Step3 ひきこもりの方への具体的な接し方を知る】

こんなときどうする?よくある疑問を解消。

Q8,医療機関やカウンセリングに本人が行きたがりません。家族だけが相談をして意味がありますか?無理やり連れていくべきでしょうか?

A.親御さんだけ、ご家族だけが相談することで、状況が好転する事例は少なくありません。
むしろ、ご本人を変えようとすることの方が、ご本人をさらに苦しめることになり、逆効果で、ご家族が相談することの方が解決への近道です。

ひきこもりは、なかなか友人や親類には相談がしづらかったり、相談をしても理解してもらえなかった、傷つく言葉が返ってきたということも少なくありません。また、経済的な問題やDVなどの他の問題も絡み、複雑化しているケースもあります。

家庭内で抱え込まずに専門家に相談すること、そしてご家族が安心できることが大切です。その安心感がご本人の安心感や変化へとつながっていきます。

Q9,ひきこもりの家族は、どのように過ごしたら良いですか?本人は外出しようとしませんが、親だけが外出して楽しんでも良いのでしょうか?

A.ご本人が安心できる環境をつくるためには、親御さん自身がご自分の生活を確保し、楽しむことが大切です。私だけ楽しんでいいのかな…そう思う、愛情いっぱいの親御さんもいらっしゃるかもしれません。

ですが実は、親御さんご自身の安心や楽しさ、幸福感を得ることが先なのです。それこそが結果的にひきこもりの状況を好転させるカギです。親御さんが幸せで充実している姿がお子さんのモデルになります。

また、親御さんがストレスや不安が少なく、安定していると、子どもも安心して親と話すことができ、親子関係が深まります。親御さんが幸せで充実していると、子どもも幸福感を感じやすくなるのです。

Q10,だらしない生活を送っているように見えて気になります。またインターネットばかりしていますが、これでよいのでしょうか?

A.「生活が不規則」「部屋が汚い」などと注意して、それだけを直そうとしても根本の解決にはいたりません。命にかかわらないこと、健康状態への配慮は必要ですが、ご本人のお気持ちやプライバシーを尊重し、ご本人が安心できることを優先しましょう。

お手伝いなどを頼むことも効果的で、ご本人も「役に立てた」ということに自信ややる気が引き出されることもあります。ただ、その場合も決して強制するのではなく、「もしよければ~してくれたら助かる」という姿勢と「ありがとう」の言葉かけを大切にしましょう。

また、インターネットとの付き合い方を悩まれる方も多いですが、社会との接点を回復する窓口として大きな役割を果たしているケースも多いです。ゲームやチャットで家族以外の方と関わることもありますし、ネットショッピングが社会参加の機会となることもあります。
頭ごなしに否定するのではなく、興味を持って共有することで、コミュニケーションを深めてみてください。

Q11,兄弟姉妹がひきこもりです。どのように関わっていけば良いですか?

A.本来なら、自分の人生だけを考えていても良いはずなのに、兄弟姉妹に気を配り、心配されているあなたは、この疑問をもたれるだけで、とてもやさしく、素晴らしい存在です。
ご本人にとっても、そんなふうに大切に思ってくれる兄弟姉妹がいることは、それだけで幸せなことではないでしょうか。
まずは、あなた自身の生活、あなた自身が幸せに生きることを大切にされることが、親御さんやご兄弟姉妹に最も力になることです。

「将来自分がひきこもりの兄弟姉妹の面倒を見ることになるのでは」と心配している方もいらっしゃるかもしれませんが、ご兄弟姉妹はまずご自身の生活・幸せを優先されてください。

そのうえで、もしご兄弟姉妹のひきこもり問題に関わるのなら、「ご両親を支える」という視点をもっていただけたらと思います。
ひきこもりの高齢化が問題になっている最近は、ネットができない年配の親御さんに代わってご兄弟姉妹が支援先や相談先を探すことも珍しくありません。ご兄弟姉妹が「母子密着になっていて親だけでは難しい」と判断して、相談にいらしたケースもあります。
客観的に状況を見て、支援につなげるということを意識してみてください。

Q12,ひきこもりが長期化しています。解決できますか?どうしたらよいですか?

A.解決できる可能性は十分にあります。何年もひきこもっていた方が、元気に社会復帰された、やりたいことを見つけて夢を叶えた、社会の困っている方の役に立つような大活躍をされているという例も少なくありません。

またそのご家族で、苦しい時間を過ごされたからこそ、今はひきこもりや心の病で困っている方・そのご家族のためにご活躍されているという方もいます。

ただ、長期化するほど、現状の厳しさを前に事態が停滞していたり、問題が複雑化していて、家庭内だけで問題を抱え込んでいることも少なくありません。また、親御さんご自身の生き方や考え方、親子関係と向き合あわざるをえなくなり、苦しんでいらっしゃることも多いです。

専門家に相談し、安心感を得て、自信をもって接することができるようになると大きく解決に向けて前進します。客観的な視点からみてもらい、適切なアプローチや支援を共に考えてもらうことができます。

ひきこもりの本人を何とかしてほしい、本人を専門家につなげたいという方も多いですが、まずは悩まれているご家族が相談をしてサポートを受けること、専門家も巻き込んで、チームとして対応していくことが、解決への一番の近道です。

Q13,ひきこもりは誰に相談したら良いのでしょうか?

専門家にご相談されることをオススメします。
もちろん、信頼できるご友人やご家族、親類にご相談するのも時には良いでしょう。

身近な方に助けを求められるということも素敵なことですし、
気持ちが楽になることもあるでしょう。

ですが、親密な関係であるがゆえに、
良かれと思ったアドバイスに困惑したり、
返された言葉に傷ついたということも少なくありません。

解決に向けて動いていかれる場合には、専門家に相談することが大切です。
では、「専門家」といってもどこに相談したら良いかということですが、
まずは、ご相談されたい内容を整理されることをオススメします。

福祉的なサービスを受けたい、地域のどことつながったら良いかわからないということであれば、
国の事業で、各地域に設置されている「ひきこもり地域支援センター」があります。

一次窓口としての側面があり、適切な相談先を紹介してもらえるという特徴があります。

また、ひきこもりから回復してきていて就労に興味が出てきている段階でしたら、
就労支援を担っている団体に相談してみるのも良いでしょう。

とにかく、ひきこもりの問題を解決したいということであれば、
YSカウンセリングセンターでひきこもりのご家族のご相談を受け付けております。
クリニックも併設しており、ご希望に応じて医師の診察を受けながら、
ひきこもりの原因を根本から解消していく道すじをご相談していただくことができます。

YSカウンセリングセンターでは

「わが子がひきこもりでどうしたらよいかわからない…」
「このままどうなってしまうのか不安だ…」
「出口が見えず、もう限界…」
という親御さん・ご家族の無料相談を受け付けています。

お子さんをよみがえらせるのは、医者でも、薬でも、相談員でもありません。お子さんのひきこもりを解決するカギは、親御さんの「接し方」にあります。
ご家庭でのお子さんの様子や親御さん・ご家族のお悩みなど、じっくりマンツーマンでヒアリングを行い、解決までの道すじを、具体的にご相談いただけます。
経験豊富なカウンセラーが対応いたしますので、少しでも気になる方はお気軽にご連絡ください。
↓  ↓  ↓

当センターでは、親御さん・ご家族の無料相談を受け付けています ⇒ YSカウンセリングセンター初回無料相談

お問い合わせ CONTACT