読み込み中

コンテンツ CONTENTS

この記事を書いた人:武山 円 
YSカウンセリングセンターカウンセラー
スクールカウンセラー 公認心理師

仕事が怖い… ひきこもりから一歩踏み出すための方法とは?

「仕事をしなければならないのは理解しているけれど、どうしてもその一歩が踏み出せない…」
「長いブランクがあるから、自分にできる仕事なんてないのではないかと不安になる…」

ひきこもりを経験され、このような思いを抱えている方は、決して少なくありません。

ひきこもりから社会復帰を志したとき、「働かなければならない」というプレッシャーと、「仕事が怖い」という不安が心に重くのしかかります。

職場の人間関係が不安で、どう接すればいいのか分からない

仕事で失敗することが怖くて、挑戦する勇気が出ない

履歴書の空白期間をどう説明すればいいのか、悩んでいる

長時間働く体力や気力がないと感じている

このような悩みを抱え、なかなか最初の一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。ですが、仕事が怖いと感じるのは、あなたが次の一歩を踏み出そうとされているからこそ。

この記事では、

・「仕事が怖い」と感じる理由

・仕事への不安を軽減する方法

・ひきこもり経験者におすすめの仕事

・自分に合った仕事を見つける方法

をお話ししていきます。記事を通して、あなたが、あなたの一歩を踏み出すお手伝いができたら幸いです。

この記事を読んでわかること

ひきこもりの方が「仕事が怖い」と思う理由

「働かないといけないのはわかっているけど、仕事が怖い…」
このように感じるのは、決して珍しいことではありません。実際、ひきこもりを経験した多くの方が、仕事に対して強い不安を抱えています。特に、長い間働いていなかったことによる 「履歴書の空白期間」 を気にして、面接に行くのをためらってしまう人も少なくありません。
では、なぜ仕事が怖いと感じるのでしょうか?その理由を考えてみましょう。

1. 人間関係への不安

仕事をするうえで避けられないのが「人間関係」です。職場では上司や同僚はもちろん、仕事内容によってはお客様とも関わる必要があります。働くにあたって「うまくコミュニケーションが取れるだろうか」「嫌な人がいたらどうしよう」という不安を感じることもあるでしょう。特に、これまでに学校や職場で人間関係のトラブルを経験していると、この不安が大きくなりがちです。
引きこもり状態だと、家族以外とコミュニケーションを取る機会が少なく、苦手意識を克服する機会があまり訪れません。まずは家族以外の人と交流をすることから始めるのもおすすめです。

2. 自分に自信がない・失敗するのが怖い

「仕事でミスをして怒られたらどうしよう」「ブランクが長いから、ちゃんと働けるのかな…」こうした不安も、仕事が怖いと感じる大きな理由のひとつです。ひきこもりの期間が長いと自分に自信が持てなくなり、失敗することを極端に恐れてしまうことがあります。

3. 履歴書の空白期間をどう説明すればいいかわからない

ひきこもりの経験があると、履歴書に「空白の期間」ができてしまいます。「面接で聞かれたらどう答えればいいんだろう…」「正直に話したら、不採用になってしまうのでは?」このような不安を抱え、そもそも応募すること自体をためらってしまう方も多いのです。

4. 体力や集中力が持つか不安

ひきこもりの期間が長いと、生活リズムが乱れたり、体力が低下したりすることがあります。そのため、「フルタイムで働けるのか」「長時間の仕事に耐えられるのか」といった不安を感じてしまうことも少なくありません。

5. 過去のトラウマや職場での嫌な経験

過去に仕事でつらい思いをした経験があると、「また同じことが起こるのでは?」と考えてしまいます。パワハラや人間関係のトラブル、厳しいノルマなどの経験があると、仕事に対する恐怖心がより強まってしまうことがあります。

6. ひきこもりの状態から抜け出すのが怖い

長い間ひきこもっていると、外に出ること自体に不安を感じるようになります。「家の外は怖い」「慣れた環境から出るのが不安」といった気持ちから、仕事を始めることに強い抵抗を感じることもあるのです。

「仕事が怖い」「働くのが不安」と感じるのは、珍しくありません。ひきこもりを経験した多くの方が抱える悩みです。大切なのは、小さな頑張りや変化を認め、安心感を広げていくことです。また無理してすぐに長時間働こうとせず、自分のペースで進めることが、長く働き続けるための第一歩になります。

ひきこもりからの社会復帰「仕事が怖い」への対処法5選

仕事に対する恐怖心を和らげ、社会復帰に向けて動き出す方法を5つご紹介します。

対処法① まずは小さな一歩を踏み出してみる

いきなり正社員として働くのはハードルが高いと感じる場合、まずは負担の少ない方法から始めるのがおすすめです。例えば、求人情報を見てみる、短時間のアルバイトや在宅ワークを試してみる、職業体験やボランティアに参加してみる、外に出る習慣をつける(カフェや図書館で過ごしてみる)などです。人と比べるのではなく、あなたにとっての一歩でOK。小さな成功体験を積み重ねることで、自信を取り戻し、仕事への恐怖心を少しずつ軽減することができます。

対処法②「仕事が怖い」と感じる理由を整理する

「仕事が怖い」と思っていても、その理由は人によって異なります。「なぜ怖いのか?」を自分なりに書き出して整理してみると、解決の糸口が見つかることがあります。
例えば…
人間関係が怖い → コミュニケーションが少なめの仕事を探す
体力が持つか不安 → まずは在宅勤務や短時間勤務の仕事からスタートする
履歴書の空白が気になる → 事前にどう説明するか準備しておく

このように、自分の不安の正体を明確にすることで、対策を考えやすくなります。

対処法③相談できる相手を見つける

一人で悩み続けると、不安がどんどん大きくなってしまいます。対処法②でお話ししたように、紙に書くことも不安を大きくしない方法の一つですが、家族や友人、支援機関など、話を聞いてくれる人に相談するのも有効な方法です。
ハローワークの就職相談や地域若者サポートステーション、ひきこもり支援を行うNPOや民間機関、カウンセリングを活用してみるのも良いでしょう。当センターでも無料個別相談を実施しています。

対処法④いきなり働くのではなく、「準備期間」を作る

ひきこもり状態から急に働き始めると、大きな変化に心も体もついていけずに、ブレーキがかかって「仕事が怖い」という気持ちが大きくなってしまうことがあります。そのため、すぐに就職活動を始めるのではなく、「働くための準備期間」を設けることも大切です。
例えば
生活リズムを整える(朝起きる時間を決める、昼夜逆転を少しずつ戻していく)
1日の行動範囲を広げる(外に出る機会を増やす、普段行かない場所に行ってみる)
職業訓練や資格取得にチャレンジする(パソコンスキルを学ぶなど)
「仕事をする」から「働く準備をする」という考え方に切り替えると、プレッシャーが和らぎ、安心して次のステップに進むことができます。

対処法⑤「働きやすい職場」を探す

一言で「働きやすい」と言っても、人によって、どのような仕事、どのような環境が働きやすいかは異なります。まずは、自分のできること、得意なこと、強み、希望する条件など書き出してみましょう。その上で「自分に合った職場環境」を選ぶことが大切です。具体的な職種、選び方についてはこの後ご紹介していきます。

仕事に対する恐怖心を一気になくすことは難しいかもしれません。ですが、「小さな一歩を踏み出すこと」で、少しずつ変わっていきます。「できることから始めること」を意識してみてください。

ひきこもり経験者におすすめの仕事とは?

今回は、ひきこもり経験者におすすめの仕事を紹介します。どんな仕事があるのか知ることも、社会復帰への大きな一歩です。

おすすめの仕事①コミュニケーションの負担が少ない仕事

人との関わりが少ない仕事は、ひきこもり経験者にとって働きやすい職種の一つです。

1,在宅ワーク(ライター・データ入力など)
おすすめポイント
・会社に出勤せず、自宅で仕事ができる
・PC作業が中心で、人と直接関わる機会が少ない
・自分のペースで仕事を進めやすい
ライティングやデータ入力など、特別な資格がなくても始められる仕事が多いのが魅力です。クラウドソーシングサービスを活用すれば、未経験からでも案件を受注できます。

2,倉庫内作業・軽作業
おすすめポイント
・人との会話が少なく、黙々と作業できる
・単純作業が多く、未経験でも始めやすい
・シフト制が多く、自分のペースで働ける
倉庫内での仕分けやピッキング作業など、体を動かしながら働く仕事です。短時間勤務が可能な職場も多いため、最初の一歩として取り組みやすいでしょう。

おすすめの仕事②短時間・週数回から働ける仕事

ひきこもりからの社会復帰では、まず短時間から働ける仕事を選ぶのも一つの方法です。
3,清掃スタッフ
おすすめポイント
・一人で作業することが多く、対人ストレスが少ない
・朝や夜の勤務が多く、人目を気にせず働ける
・短時間勤務が可能
ビルやホテル、学校などの清掃業務は、未経験からでも始めやすい仕事の一つ。接客の機会が少なく、体を動かしながら働けるため、少しずつ社会に慣れるのに適しています。

4,コンビニやスーパーの品出しスタッフ
おすすめポイント
・接客がほとんどなく、裏方作業が中心
・比較的短時間勤務が可能
・求人が多く、採用されやすい
スーパーやコンビニの品出しスタッフは、開店前や閉店後の勤務もあり、人とあまり関わらずに働けるのが特徴です。

おすすめの仕事③少しずつ人と関わる仕事に挑戦できる仕事

少しずつコミュニケーションに慣れたい場合は、接客要素がある仕事にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
5,事務補助・データ入力
おすすめポイント
・PC作業が中心で、対人コミュニケーションが少なめ
・未経験OKの求人が多い
・短時間勤務やアルバイトから始められる
書類整理や簡単なデータ入力などの事務補助業務は、人との関わりが少なく、落ち着いた環境で働けることが魅力です。

6,配送・宅配スタッフ
おすすめポイント
・基本的に一人での作業が多い
・運転が得意なら、無理なく続けやすい
・比較的高時給の仕事が多い
荷物の配達を行う仕事で、運転ができる方に向いています。人と接する機会はありますが、短時間の会話が中心なので、深いコミュニケーションが苦手な方でも安心です。

ひきこもりの方が自分に合った仕事を見つける方法

ここまでどんな仕事があるのか、ひきこもりの方が比較的始めやすい仕事をご紹介しました。ここから、自分に合った仕事を見つけるための具体的な方法を紹介します。

自分に合った仕事の見つけ方①「自分ができること・興味があること」を整理する

「どんな仕事が合うのかわからない…」という場合は、まず自分のできることや興味のあること、好きなこと、ワクワクすることを整理してみましょう。
<自分を知るためのチェックポイント>
・人と関わる仕事が好きか?
・黙々と単純作業するのが好きか?それとも変化のある仕事がいいか?
・体を動かす仕事がいいか?それともデスクワークがいいか?
・興味のある分野は何か?(PC作業・ものづくり・接客 など)
このような項目を考えることで、自分に合った仕事の方向性が見えてきます。
そして、自分の強みや得意なことを探してみましょう。特別なことを探す必要はありません。あなたのこれまでの経験の中で、「得意だったこと」「人から喜ばれたこと」「楽しいと感じたこと」はなんですか?
例えば…
・ゲームが好き → IT関連の仕事(データ入力・プログラミング など)
・細かい作業が得意 → 軽作業・ハンドメイド など
・文章を書くのが好き → ライティング・編集 など
「好きなこと」や「得意なこと」を生かせる仕事を選ぶと、働きやすさが上がります。

自分に合った仕事の見つけ方②少しずつ仕事のイメージをつかむ

「いきなり働くのは怖い…」という場合は、まず仕事のイメージをつかむことから始めましょう。具体的には、まずは、興味のある仕事について調べることです。インターネットで仕事内容や求人情報を検索したり、仕事紹介のYouTube動画やSNSをチェックするのも良いでしょう。ハローワークや就職支援機関で相談することも大きな一歩です。実際にどんな仕事があるのかを知ることで、「自分にもできそう」「興味がある」と思える仕事が見つかるかもしれません。
そして、そのあとは実際に体験してみることも大切です。興味のある仕事に関する短期アルバイトやボランティアに参加してみたり、職業体験やインターンシップがあれば利用するのも良いでしょう。クラウドソーシングサイトに登録し、在宅ワークに挑戦してみのもおすすめです。「まずは少し試してみる」というスタンスで、気軽に仕事の世界に触れてみましょう。

自分に合った仕事の見つけ方③無理なく始められる仕事を選ぶ

仕事のイメージがつかめたら、まずは負担の少ない仕事から始めてみましょう。慣れてきたら少しずつ働く時間や業務の幅を広げていくと良いです。
最初は、単発や週1~3日から始められる仕事(品出し・清掃・軽作業 など)、在宅ワーク(ライター・データ入力・アンケートモニター など)、サポート体制が整った職場(研修あり・支援員がいる など)がおすすめです。ここで、「無理なく続けられるかどうか」がポイントになります。

自分に合った仕事の見つけ方④ひきこもりの方向けの就職支援を活用する

就職支援を活用するのも一つの方法です。いくつかご紹介します。

・わかものハローワーク(おおむね35歳未満が対象)
→個別指導で、自己理解・職務理解のサポート、能力開発の支援、応募準備のサポート、就職後の職場定着支援まで、一環した支援を無料で実施しています。

・地域若者サポートステーション(現在仕事や学校に通っていない15~49歳までが対象)
→働く力を身につけるための支援機関です。就職に関する相談だけでなく、コミュニケーション講座、パソコン講座(Word・Excelなど)、ジョブトレ(就業体験)、ビジネスマナー講座、就活セミナー(履歴書の書き方や面接指導など)、就職後の相談などを行っています。

・ジョブカフェ
→地域によって異なりますが、就職セミナーや職場体験、カウンセリングや職業相談、職業紹介などさまざまなサービスを行っています。また、保護者向けのセミナーも実施しています。

・就労移行支援
→一般就労を目指す障害のある人が、働くための知識やスキルなどを身につけることができるサービスです。障害者手帳を持っていない場合でも、医師の診断書などをもとに自治体が必要であると認めた場合に利用することができます。受給者証の発行も含めて、お住まいの市区町村にある障害福祉窓口やハローワークなどに相談し、通える範囲にある就労移行支援事業所を紹介してもらいましょう。

ひきこもりの方が仕事を探すときの心構え

自分に合った仕事を見つけるには、完璧な仕事を探すのではなく、まずは挑戦してみることが大切です。最初から理想の仕事にこだわりすぎず、まずは一歩踏み出すこと、そしてその踏み出した自分を大きく認めることを大切にしていきましょう。「一度やってみて、合わなければ違う道を探せばいい」くらいの気持ちでいると、気持ちが楽になります。行動することで、「合う・合わない」に気がついて自己理解が深まったり、思ってもみない自分に出会えることもあります。まずは、あなたにとっての小さな一歩を踏み出すことが、大きな前進へとつながっていきます。

仕事が怖い… ひきこもりから一歩踏み出すための方法とは?ーまとめー

社会復帰への道は必ず見つかる!
ひきこもりの方が、「仕事が怖い」と感じることはごくごく自然なことです。その怖い気持ちは否定せずに、
・好きなこと・得意なことを整理する
・仕事の情報を調べたり、体験してみる
・最初は無理なくできる仕事を選ぶ
・上手に支援を活用して仕事の不安を減らす
など、まずはできることからはじめてみましょう。お仕事をされてみようそう思われたことが、まず、尊い大きな一歩です。

YSカウンセリングセンターでは

「ひきこもりでどうしたらよいかわからない…」
「このままどうなってしまうのか不安だ…」
「出口が見えず、もう限界…」
というご本人や親御さん・ご家族の無料相談を受け付けています。

お一人お一人のご状況やお悩みなど、じっくりマンツーマンでヒアリングを行い、解決までの道すじを、具体的にご相談いただけます。ひきこもりが好転していった事例のご紹介も可能です。
経験豊富なカウンセラーが対応いたしますので、少しでも気になる方はお気軽にご連絡ください。

↓  ↓  ↓


当センターでは、親御さん・ご家族の無料相談を受け付けています 

YSカウンセリングセンター初回無料相談

お問い合わせ CONTACT